ごめんよ、牛乳

一喜一憂する就職活動に嫌気がさし、私は快楽を求めに行く。恋人の横顔は、めくるめく季節の様に美しかったり、可愛らしかったり、涙を誘ったりする。そんな四季を求めて毎回終電を乗りこなす。終電を逃し、恋路の途中で下車して走って恋人の所に行ったのは、去年の末ごろだっただろうか。最近、終電には乗らなくてもよくなっている。恋人の家にいずっぱりなのだ。愛の巣でも、2人の生活でも、私の避暑地にもなっているあの家。私の家は寂しがってるだろうかと今日、帰ってみる。暗い部屋の中は、生暖かいのに生活の匂いがしない。暑さにやられて飲み物を欲す。冷蔵庫を開けてまた生活の存在の希薄さにがっかりする。5日過ぎた牛乳をシンクに流し、「ごめんよ、牛乳」とそっと呟き私は生活に帰って行く。