眠れない夜

シーラカンスが1番古い魚なのは本当なのだろうかと考える2:18。シーラカンスが現れると私は不安になってしまう。永遠は恐怖のように漂う。黒いまなこが捉えるのは、真っ暗な部屋に浮いているスマートフォンのディスプレイだけ。この街から引っ越すのは、あと1ヶ月余り。それまでに私は夕暮れを何回見て、夕暮れを何回忘れるだろうか。失念するメカニズムに愛想が尽きた時、思い出す景色はこの街の景色になるのだろうか。眠れない夜は良くない事を考えてしまう。明日は終わり明後日がやってきて、私は私になれるだろうか。シーラカンスが漂う流れは何処からともなく消えては現れる。そんな夜も私は眠れない。